怠惰な誘惑 その2 Lazy Bones ~ 吉田日出子/ペティ ブーカ ~

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 これもホーギー・カーマイケルの曲だ。1933年作。ミルス・ブラザースの弾むようにスウィングするコーラスもいいが、やはり思いっきり怠惰な「上海バンスキング」の吉田日出子がいい。前半が日本語、後半を英語で歌うスタイル。日本語の詞は「浅田飴」創立者の息子にして偉大な音楽家、堀内敬三による。マサチューセッツ工科大学の修士を出たあと音楽の道を志したという一風変わった人に思えるがもともと文学と音楽の素養があったものを家族の反対で堅い学問に向かったらしい。ことにその訳詞における功績は日本の音楽史に特別な光をはなっている。

「日本語は音楽にノリにくい」とは言わせない説得力、メロディーとの融合はみごととしか言いようがない。ざっと例を上げてみると「マイ・ブルー・ヘブン(私の青空)」「アラビアの歌」「遠き山に日は落ちて」「モーツァルトの子守歌(フリースの子守歌)」「シューベルトのアヴェマリア」そして「ジグルベル」も。いずれも親しみやすく暖かみのある美しい日本語が綴られている。

 さて、このレイジー・ボーンズもあまりにもすばらしい訳詞なので紹介すると、

   朝は遅くまで ゆっくり彼は寝ます
   仕事は憂鬱 寝床が天国
   おー午後は昼寝です 食事のときが来ても
   なんにも見えぬ 食べずに眠る
   釣りに行けば 釣りのことは 天に祈り
   世はすべて 神の胸に まかせまつり
   いつも月給の 稼ぎもないくせに
   泰然自若 ホントーに わしゃ負けたです

 怠け者の彼氏にあきれながら優しく見つめている天使のような女が目に浮かぶ。

 実はこの吉田日出子の歌には元ネタがある。1934年に来日したジャズ歌手ミッジ・ウィリアムスが日本で吹き込んだ作品がそれだ。時代はまさに上海バンスキングのころ。吉田日出子はミッジのフレージングを意識しながらもじゅうぶん個性的な歌唱を聴かせてくれる。

 もうひとつ、先に紹介した「ペティブーカの青い体験」の最後の曲がレイジー・ボーンズだ。このCDの選曲はほんとうに心憎い。元ネタはジェフ&マリア・マルダーのアルバム「スイートポテト」にある。イントロとエンディングがペティとブーカの寝起きの掛け合いになっていて女ふたりのウダウダ感がおもしろい。

※写真のCDジャケットは「ザ・コンプリート ミッジ・ウィリアムス vol.1」「上海バンスキング」「スイートポテト ジェフ アンド マリア」「ペティブーカの青い体験」
上海バンスキング/吉田日出子名選集
プライエイド
2007-02-21
吉田日出子

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