ジャンルー・シーフ写真展/東京都写真美術館

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 ジャンルー・シーフを知ったのは20年前の『太陽』の特集「世界を創った肖像写真100枚」だった。被写体のフランソワーズ・サガンは椅子に脚を組んで座っており、煙草を指にはさんだ手に顎をのせている。殺風景すぎる部屋と焦点の合わないまなざしが印象的な写真だった。
 今回の写真展は未発表作品が売りで、フランス本国ではこの未発表公開を「レ・サンディスクレット」と呼んだ。「不謹慎(な写真)」というちょっとシャレたタイトルだ。シーフは『エル』『ハーパース・バザー』『ヴォーグ』『マリクレール』などで活躍しファッション写真界で特別な地位を築いたが、『エル』の臨時派遣として雇われたのが1955年、22歳のときだった。この3年前にはブレッソンが『決定的瞬間』を発表し、ファッション界ではアーヴィング・ペンとリチャード・アヴェドンが『ハーパース・バザー』『ヴォーグ』でファッション写真の新時代を作り上げていた。
 アヴェドンの『ドヴィーマと象』の発表が55年、エルスケンが名作『サンジェルマン・デ・プレの恋』を出版したのもこの年だった。まさに写真界の黄金時代だったといえる。
 ルポルタージュ、風景、肖像、ファッション、ヌードと見応えのある展示会だったがプリントの美しさにも目を奪われる。欲をいえばバレエを題材としたノートリミングの写真も見たかった。

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